2009年 10月 26日
空気人形
ただペ・ドゥナを観て癒されようと思ってたらしっぺ返しを食らう映画。
存在の軽さ、空虚さ、孤独……一見、諸行無常の「枯れた」映画のようだが、そうではない。是枝とペ・ドゥナは情熱的に描き出す。心とは瞬間を焼き付けるスクリーンのようなものであることを。
ラストシーンは詳しくは言わないけど、とても印象的なものだった。
CGを使っていないというから驚異的だ。人形と境界のないペ・ドゥナの身体。
脚本と女優でもう後はどうでもいいやという映画。

# by dolmange | 2009-10-26 00:03 | 映画 | Comments(2)
2009年 10月 18日
외박(外泊)
외박(外泊)

『ノガタ』の監督、キム・ミレの新作ドキュメンタリー。
早稲田でやっていたので観る(主催:連連影展FAV、早稲田奉仕園)。
ワールドカップ競技場にある大型スーパー「ホームエバー」の女性労働者らが、2007年6月、「非正規職保護法」施行前の一斉解雇に抗議し、職場占拠し立て籠もった500日間の闘いの記録。
ナショナルセンター・民主労総は、彼女らの闘いを非正規職労働者の闘いの象徴であるとし、全面支援を表明。しかし、大統領選で民主労働党が惨敗するや、支援を引き揚げ、ホームエバー労組は孤独な闘いを強いられていく。
監督がスピーチで語ったように、この映画の問いは二つ。
シングルマザー、舅姑の世話に追われていた元専業主婦、契約社員、正社員……、なぜ多様な背景をもつ女性たちが爆発的にストライキに立ち上がったのか。
外で働くことは社会から必要とされていると感じる、〈家〉からの解放だった。しかし、一人の労働者としてすら扱われていないことへの不満・怒り。それは、職場占拠中、レジの前で繰り広げられる歌・踊り・スピーチなどで豊かに表され、一つの解放空間となる。
しかしこのアジールに、社会はどれだけ共感を寄せていたのか。そこで、もう一つの問いが続く。なぜ彼女らの闘いは孤独な闘いを強いられたのか。非正規職の闘いの象徴として持ち上げられるも、選挙が過ぎると忘れ去れていく。主婦としての、シングルマザーとしての、それぞれの生活に戻されていく。
だが、虚脱感とともに会社と闘ったことの手応えは忘れない。後悔はない……。

『ノガタ』と同様、対象としっかりと関係を結びながら500日間(!)撮っていくスタイルは驚嘆する。『ノガタ』以上に明確で考えさせられる作品だったと思う。
上映後の打ち上げの席で、監督にとても良かったと感想を伝え、いくつか質問をした。

# by dolmange | 2009-10-18 22:00 | 映画 | Comments(0)
2009年 10月 04日
SNSは性にあわない/大久保製壜闘争
■やはり、私はSNSというものが性にあわず、誘われてもすぐにやめるの繰り返し。mixiやfacebookのことである。
サイバー空間での「お友達つながり」というのが、やはりだめだ。
実際、「友達の友達」ってだけで面識もないのにどんな人かわかってしまうのは、おそろしい。逆に、私も「知られてしまう」わけだ。
ブログぐらいが丁度いい。あげてもいいものかどうか、プライバシー等、吟味しながら書くということ。誰が読んでもいい文章を書くこと。



■先日のレイバー映画祭で上映された大久保製壜闘争。youtubeにもあった。
「福祉モデル工場」で差別・虐待に遭ってきた障害をもつ労働者が1975年に立ち上がった闘争。20数年の闘争を経て、会社との全面和解にいたったよう。
この闘争の歴史は現在の労働運動にも多くの示唆を与え励みとなる。社長の組合つぶしの手口もひどい。組合員のバイクに麻薬を仕込み、警察に逮捕させるも、逆にその仕込みが発覚し、社長が逮捕されたり……。
組合結成当初、30数名が集まって健常者はたった3名だったという事実にも驚かされる。障害者は従業員の半分だから、社内健常者のほとんどが会社側の御用組合に入って、組合つぶしに加わっていたことになる。
「障害と労働運動」というテーマも、障害学でどんどんやるべきだと思うなあ。

# by dolmange | 2009-10-04 21:43 | 田端マッコルリ醸造所 | Comments(1)
2009年 09月 30日
민주당
생각보다 일본 민주당이 국내 정책에 있어서 잘 하고 있는 것 같습니다.
부부 별성(夫婦別姓)제로 민법 개정, 기자 크랩 부분적 폐지, 장애인 복지 자기 부담 폐지, 온단화 가스 25% 삭감 등 그런대로 매력적인 정책을 내세우고 있습니다.
지금까지 일본은 비상식적인 극우 정당이 여당 자리를 잡아왔기 때문에 민주당이 아무래도 상식이 있는 정당 처럼 보입니다.
물론 이런 정책들이 말 만으로 끝날수 도 있으니까 지켜 봐야 되겠자만 부부별성제 만이라도 실현을 기대하고 싶습니다. 저도 일본에서 결혼하고 싶지 않는 이유 중 하나니까요. 상대가 내 성으로 바꾸는 것도 내가 상대 성으로 바꾸는 것도 탑탑함을 느낍니다. 그리고 국내와 식민지에서 성(姓)을 통한 지배를 해온 일본 국가 역사나 국내 민족적 소수자들이 당하고 있는 성이나 이름에 대한 차별과 동화주의를 생각하면, 꼭 실현해야 하는 일입니다.
지금 열린 사회로 갈까 기로에 서 있어서 요즘 신문 보기가 참 재미있습니다.

# by dolmange | 2009-09-30 21:52 | 田端マッコルリ醸造所 | Comments(2)
2009年 09月 29日
450km自転車一人旅
先日の5連休、山梨〜長野〜群馬、450kmの自転車一人旅。一人旅はいいねえ。マイペース。パンク修理も鼻歌歌いながら。
やはり信州はいい、という、ごくありきたりな感想。
茅野のドクターK宅に泊めてもらう。
高遠・伊那なんてほんと20数年ぶり。かぶとむしをとって遊んだ記憶。
小諸は初めて。小諸ユースホステルに泊まる。小諸市街を見下ろすロケーションにあり、まわりの自然が美しく、もっと長くいたかった。
群馬も初めて。富岡製糸場。世界遺産を目指しているそうだ。誰にとっての「遺産」なのか。脱亜入欧、富国強兵の象徴として、日本にとっての遺産かもしれないが、これで儲けて整えられた軍隊により支配・侵略された側にとっては? 女性の手に職を与えたと捉えられるかもしれないが(もちろんこの見方はパターナリズムであろう)、多くの他の民間製糸場で女性労働者が不衛生な環境と深刻な搾取に置かれていたことについては? いろいろと考えさせられる。
杖突峠から諏訪湖を望む
杖突峠から八ヶ岳を望む
白樺湖
海野宿
小諸YH近くで
小諸YH近くで
浅間山
真楽寺観音堂
真楽寺、杉の巨木と三重塔
碓氷峠めがね橋 イギリス式の煉瓦の積み方
富岡製糸場 これはフランドル式だそう
富岡製糸場内部

# by dolmange | 2009-09-29 20:57 | 自転車 | Comments(1)
2009年 08月 29日
김두수
youtubeの画像、貼れるようになったんだ。知らなかった。

土曜の昼、ゆっくり김두수を聴くのもいいものだ。




# by dolmange | 2009-08-29 13:29 | 音楽 | Comments(0)
2009年 08月 24日
バーダー・マインホフ
バーダー・マインホフ@渋谷、シネマライズ

(ネタバレ注意)
一言でいって、憂鬱になることこの上ない映画。映画館の中でひどく孤独になり吐き気すら覚えた。
ドイツ赤軍の活動家たちに感情移入したからというわけではない。だが、私は彼らを「過激派」だのと突き放して観ることができるような‘節度をもった大人’ではない。
60年代後半のドイツ、学生たちの間で、第3次中東戦争やベトナム戦争でよりはっきりと現れるようになった欧米諸国による暴力への批判があった。粛々とデモをしていた彼(女)らに警官は襲いかかる。なぜ彼(女)らが反帝国主義戦線として先鋭化していったのか、その発端や時代的背景を丁寧に描いていると思われた。
登場人物が語るように、1台の車を燃やせば犯罪だが、1000台の車を燃やせばそれは蜂起である。さらに付け加えれば、それが成功すれば革命だが、失敗すれば「暴徒」扱いだ。
結果的に民間人を殺めたことへの罪責と葛藤に、獄中で主人公らは苛まれ次々と独房で自殺していく。しかし、監獄の外にいる赤軍「第2世代」らは、リーダーたちが次々と監獄で殺されていると叫び、誘拐、殺害、ハイジャック等手段を選ばず、彼らの釈放を求めていく。囚われとなった第1世代のリーダーたちは「神話化」され、赤軍の暴力はエスカレートしていく。それを監獄の中でニュースを通して知る主人公たちはこれが望んでいた運動であり革命であったのか?と、外とのギャップにますます葛藤と孤独の闇に沈んでいく。このあたりの描き方が恐ろしいまでにリアルでこの映画の白眉だろう。
この、革命「失敗」後の世界に私はいる。そしてパレスチナはさらに世界との断絶におかれたまま、絶望的な状況になっている。観終わった後、虚脱感で席をなかなか立てなかった。
このようなことが実際にドイツであったということを知ることが出できるというだけでも、観る価値のある映画。

■久しぶりに映画館に行き予告編を見たなかでおもしろそうなのは、空気人形。ペ・ドゥナは本当に人形のようだ。

# by dolmange | 2009-08-24 00:33 | 映画 | Comments(3)
2009年 08月 20日
ソウルのいい店
東京12区。こんなんで、いったい誰に入れろと言うのか。
白票を投じるか。
ちなみに、私はこれまで投票した候補者が当選したことはただの一度もない。

さて、以下は友人に送ったメール。久しぶりに長い文章を一生懸命書いた(笑)ので、ブログにも掲載。

=======

私が自信をもってお勧めする店です。
ソウルに行ったときはぜひ寄ってみてください。 

韓定食「石欄」
韓定食は宮廷料理のこと。会席料理のようにコースで出てきます。
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=151
延世大学の側にある「石蘭」は、北朝鮮・開城の料理。
洗練された雰囲気。コースで4000円程度。
他の店のようにこれでもかと出てくるのではなく、一品一品少量で丁寧な仕事。

ソンジ・ヘジャンクッ「チョンジノッ」
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=147
ヘジャンクッ(解腸クッ)は、二日酔いや胃が重たい朝に食べるクッパ。こんな店が朝からやっているから韓国はおもしろい。ソンジは牛の血を固めたもの。臭みがなくおいしい。
新しい店舗に移転してから行ってませんが、味は変わっていないと思います。

プゴックッ「プゴックッチプ」
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=572
これもヘジャンクッの一つ。干し鱈のスープ。あっさりしていて美味。朝から繁盛している人気店。

マッコルリ「ワサドゥン」
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=105
仁寺洞入り口付近にある、知る人ぞ知る掘っ立て小屋。店名も看板もないが、人々の間でワサドンと呼ばれている。座れば頼んでもないのに桶に汲まれたマッコルリとホッケがどんっと出てくる。これで1000円ぐらい。

スジェビ「三清洞スジェビ」
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=482
週末になると行列のできる人気店。スジェビはすいとんのこと。辛いのばかり食べてると欲しくなる、あっさりとした味。
パジョン(チジミ)もおいしい。
三清洞の伝統家屋を散策した後、のどかな昼、ここでマッコルリを飲むのは至福のひととき。

ポシンタン
ポシンタンは犬の鍋。エゴマの葉やニンニク等大量にいれて臭みをなくしているため、
犬肉初心者にはおすすめの料理。引き締まった牛肉、という感じです。おいしいです。
犬料理屋はたいていは裏通りでひっそりと営業していています。
この店は行ったことがありませんが、どの店も大きく変わらないでしょう。
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=145

薬酒「ペサンミョン酒家」
http://www.soolsool.co.kr/blog/blog.asp
ペサンミョン酒家は、韓国の伝統酒である薬酒を現代風にアレンジしたものが人気を博している酒造メーカー。
ソウル市庁近くのファイナンスセンター地下にある直営店。3000円ほどのコースを頼めば、なんと薬酒すべて飲み放題。

サムゲタン「土俗村」
http://www.seoulnavi.com/spot/goods_summary.php?category_id=03&goods_seq=440
サムゲタンの超有名店。景福宮近くの趣のある下町(谷根千のようなところ)にある。日本人相手の漢方の少ないインチキ・サムゲタン屋が多い中、ここは朝鮮人参がごろごろ入っていて濃厚でお勧めの店。

ソウル現代美術館
http://moca.go.kr/Modern/jpn/
ソウルの南の外れにありますが、ナムジュン・パイクをはじめ、韓国の現代美術が多数展示されていて、わざわざ足を運ぶ価値はあります。

# by dolmange | 2009-08-20 08:47 | 駒込マッコルリ醸造所 | Comments(5)
2009年 08月 06日
美味しそうに酒を飲む韓国の友人たち
久しぶりに韓国に行く。
長雨(チャンマ)が過ぎ夏到来で陽気に充ちているはずの季節がなぜか重苦しい。
前大統領の49日を過ぎた後も「慶弔」と掲げたバスは多い。
言論法の可決、双龍自動車平澤工場での労働者達の立て籠もり……。
選挙目当ての再開発。
今年の韓国の夏は重苦しい季節だったと記憶されるのだろう。

着くやいなや友人と大学路で焼き肉。
写真の彼は、東アジア論について博論を書きつつ、出版社の企画で世界を旅している(羨ましい)。
彼とソウルのとある人文系の出版社を訪れた。
日本と同じように「出版不況」「人文社会科学の衰退」が言われる韓国であるが、この出版社は読者を開拓しようと、編集者が書いたエッセイや読書案内のミニコミを大学で無料配布している。そして洗練されたカフェのような内観に驚いた。鵜飼哲さんの3冊すべて翻訳出版するそうだ。
韓国の出版社は会社自体も働く人も若く、出版社協会が人材を育成しようと編集者養成課程(授業料無料。お小遣いまでくれる)をつくるなど、活気があると思う。
あと、韓国の本は装丁や組版が洗練されている。ただ、意味なく束を出して重くする傾向があるのはいただけない。それは日本よりは住宅が大きいため、大きく厚い本が嫌われにくい、というのもあるのだろう。でも、本は小さく軽いほうがいいと思う。

久しぶりに再会した酒友達(タイ現代史を研究している)と某社記者と慶尚北道栄州に行く。
浮石寺は676年、新羅時代につくられた古寺。
夕方の霧のかかった水墨画のような風景の美しさにしばし胸を打たれる。

熱心な信徒はお寺に泊まるのだろうけど、私のような俗な者は、寺の下の民宿でマッコルリ。
やはり、韓国も地方に行ったほうが断然料理がうまい。
写真の、鶏を銀杏やナツメといっしょに蒸した料理(名前を忘れた)はとても美味だった。
夜風に当たりつつ、宴は12時過ぎまで続く。
翌日は紹修書院を見物しソウルへ。

……私の夏休みは早くも終わったのだった。

# by dolmange | 2009-08-06 20:46 | 田端マッコルリ醸造所 | Comments(2)
2009年 05月 25日
盧武鉉
2003~2005年、私の韓国滞在は、彼の在任中にあった。
イラク派兵、非正規職の拡大、在韓米軍の再編等、左派からはひどく評判が悪かった。反面、親日反民族行為真相糾明委員会、軍疑問死真相糾明委員会等の各種委員会の設立、司法・行政改革等、既得権層に果敢にメスを入れていった。
保守らは彼をいっそのこと弾劾してしまおうと、「選挙法違反」を云々し、数の論理で国会で弾劾案を可決した。
少なくともハンナラ党のやり方は滅茶苦茶だ——特に普段政治に興味がない若者らも鍾路の大通りに出て連日抗議集会を開いた。盧武鉉に興味のない左翼の友人たちと異邦人である私は、この集会をマッコルリを飲みながら見物していたのが懐かしい。2004年のこと。

左にも右にも好かれなかった。しかしその存在は大きかったのだろう。貧農出身で苦学し弁護士になり、87年の6月抗争では街頭で先頭に立って闘い、国会議員時代には前軍事政権の不正を追及した。民主党であるにもかかわらず敢えて地域感情を克服しようと慶南地域から立候補した。ある意味韓国現代史を凝縮したような人物であり、だからこそ韓国の人々は今ある種の空虚さに苛まれているのかも知れない。

検察の疑問を事実であるかのように伝えた報道機関の責任も問われている。御用化された報道機関が「偶像」が壊れゆくのを手ぐすねをひき狂喜乱舞していたのは想像に難くない。

日本での彼の死についての報道はどうだろう。クリーンなイメージが崩れ、それに悩み自殺したという心理主義的で表面的な解釈でなぞるだけで、おそらく日本のどのような政治家も経験したことのない彼の波瀾万丈な生を辿るようなことはしない。民主化闘争という概念が欠如したこの社会では、仕方のないことかも知れない。

盧武鉉の評伝はいつかきちんと書かれなければならないだろう。

一方で、現大統領は「前科14犯」と揶揄されるほどに汚職や不正資金疑惑が多くあまりにダーティ。一つの時代は終わった。目の前にあるのは、あまりに俗物で露骨なまでに反ー民衆的な大統領。「反乱」は起こるのか?

# by dolmange | 2009-05-25 23:28 | 田端マッコルリ醸造所 | Comments(8)


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